その坂は意外にも緩やかだった。
きくちまゆこは国立が好きらしい。
彼女のことをもっと知りたくて
彼女の好きな国立で逢うことになった。
せっかく国立に行くのであるから
実はまだ行ったことがなかった「たまらん坂」に
ちょっと足を伸ばしてみることにした。
たまらん坂は忌野清志郎さんが「多摩蘭坂」と当て字をつけて
歌を歌った事により、ファンの人の聖地となっている。
正式にはひらがなで「たまらん坂」と書くそうだが、
この曲の影響なのか「多摩蘭坂」がバス停の名前になっている。
実際に清志郎さんはブレイク前ぐらいに
すぐそこのアパートに住んでいたそうだ。
ちなみに、清志郎さんときくちまゆこは
誕生日が同じという共通点があったりする。
母が大好きで、清志郎さんの歌を聴いて育った私は
清志郎さんのライブから帰ってきた母が興奮気味に
「清志郎がライブ中に握手してくれた!!」
と話す横で父が
「おばちゃんが変な縦ノリで踊ってるから
かわいそうだと思って清志郎は握手してやったんだべ〜」
と言っていたのを思い出しながら坂を登っていた。
たまらん坂で多摩蘭坂を歌う清志郎さん
「坂の途中で立ち止まっているのは君だけじゃないよ」
今はもう撤去されてしまったようだが、
訪れるファンが石垣の石に書いたメッセージの一つに
そう書いてあったらしい。
きっと多くの人が坂の途中で立ち止まり、
そしてその日は私が坂の途中で立ち止まっていた。
多分70年代に書いて、87年に出版された
「十年ゴム消し」という清志郎さんの本がある。
その時期の清志郎さんが感じていた事が
詩や日記などを通じて感じ取ることができる。
その本の最後はこう締め括られている。
しかしあの頃はほんとに、ヒマだったんだな。
こんなにたくさん字を書くなんて、
ほんとうにやる事が無かったんだと思うよ。
でも、それも今じゃみんなチョー消しさ。
十年や二十年なんて、ゴム消しさ。
十年後、もしくは二十年後の時点で
今を振り返えってみたとき、
私たちは何を思っているのだろう。
そのときはまた、
たまらん坂に足を運んでみることにしよう。
----------------------
なんだが清志郎さんの話ばかりになってしまったが、
そのあと私はきくちまゆこと長時間話をした。
話した内容は内緒だけど、
今年に入ってからぐらいからか、
きくちまゆこが輝き始めていると私は思っている。
そして勝手に今年は「きくちまゆこの年」ということにしている。
勝手というか、本当に彼女にとって大きな節目になる年ではないかと思う。
----------------------
国立の「
Harbor Light」というジャズバーで
きくちまゆこのピアノが聴ける。
きくちまゆこはみなさんにはどう映っているのだろう。
正直、未だに私はきくちまゆこが掴めないでいる。
掴めないのでなく、一言では言い表せない性格なのかな?
それともいろんな表情を見せるまゆこに騙されているだけなのか。
1つわかったつもりでいるのは、
すごく(いい意味で)ナイーブで、
すごく感受性が高いと思わせるような事を言ったり、
そういう演奏をしている事がある。
特にソロの演奏を聴いているとそう思う、勝手に。
まゆこがHarbor Lightでピアノを弾いているのは
基本的に木曜日だそうだが、
ほかでライブをするときなどはない事もあるらしい。
スケジュールは下記のリンクからチェックできる。
http://harborlight.blog95.fc2.com/ほかにも最近は
モミーさんという方とやっている。
音楽的な表現が乏しい私が説明するのは大変恐縮なのだが、
まゆことのユニットでは、歌を歌ったり
ファンク的なスキャット(と言えばいいのだろうか・汗)をしたりしている。
モミーさんはすごくかっこいい。
なんだけど、かっこよすぎて、なぜか笑いが込みあげてしまう(!)
私の下手な表現では伝わるわけないので、ぜひ観に行ってみてほしい。
2011年5月17日(火)
@二子玉川 LIALEH(ライラ)
◆19:00 open/20:00 start
◆table charge¥1000+投げ銭
◆出演:モミー(vo.& human beat vox)/きくちまゆこ(pf.)
《LIALEH ライラ》
TEL : 03-5491-1951
B1,3-9-1,1,Tamag awa,
Setag aya-ku,Tokyo. zip 158-0094
二子玉川駅西口より徒歩2分
http://lialeh.net/----------------------
それと
、唄う空間造形屋・あやちクローデルさんの
お座敷シャンソンショウという浅草で毎月あやちさんが
やっておられるライブに今月まゆこが出る。
最初私はあやちさんを拝見したとき、
「
唄う空間造形屋」と言っているのを知らなかったが、
まさにその通りの事を感じた。
去年の様子がYoutubeに載っているので参考までに。
2011年5月29日(日)
「あやちクローデルときくちまゆこのお座敷シャンソンショウ!」
@浅草 鈴楼
【時間】open 20:00 start 20:30
【料金】2000円
【出演】あやちクローデル with 鍵盤とおもちゃ楽器:きくちまゆこ
【場所】
浅草 鈴楼 東京都台東区浅草1-18-9-2F Tel:03-5828-6238----------------------
バロンと世界一周楽団のメンバーは
世界一周楽団のほかにもいろんな活動をしているし、
世界一周楽団では見られない彼らがいる。
もし気になるメンバーがいたら、それぞれのライブにも行ってみてほしい。
なのでメンバーそれぞれのリンクを貼ってみたりする。
バロン、Baron & Jordonきくちまゆこ八木橋恒治(Gentle Forest Jazz Bandなど)田名網大介(カセットコンロス)熊谷太輔(METROFARCEなどなど)----------------------今日もたまらん坂では
坂の途中で立ち止まっている人がいるかもしれない。
たまらん坂は何の変哲もないありふれた坂だ。
しかもわりと緩やかな坂だ。
だけどその人の置かれている状況により
たまらない坂になるのかもしれない。
(担当はウェブ担当でした〜)